遅すぎた選択
『貴方は将来どんな風になるのかな』昔々、とある人に問いかけられた言葉。その言葉へ言葉を返すことはきっと今でさえも出来ないだろう。そんなことをぼんやりと思う。いつしか見なくなっていた鏡をふと見ると、忌々しい頬の痣が目に入って思わず鏡を殴ってし…
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夕闇がぼくらを呼んでいた
夕方。それは昼と夜の真ん中。橙色の空はまるで太陽に焼かれてしまったかのような鮮やかさで、それを粛々と夜の闇が静かに静かに冷ましていく。大体の人はいつも見ているはずなのに、いつの間にかその橙は姿を隠す。少しでも何かに気を取られていると、あっと…
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空の色のように
「明日からまじで本部に入隊すんのか〜…」「いや、まだ仮っつーか…。体験入学?いやそれも違うか…。まあ触りみてえなもんだろ」「いやそりゃそうだけど!でもなんか、こう、実感?というかさ、今まで目標にしてたのが目の前にあるとビビる、っつーか…」「…
textDefective
独白
今日もどこかで誰かが死んだ。そう思いながら起きる朝はいつまで経ってもいいものではない。誰かが死ぬのを見たことはあるか。俺は残念ながら、ある。「オディリオくん、好きだったよ」そんなことを言ってクソみたいに綺麗に死んでいった奴らばかりを見てきた…
textfam