「ここ、探偵事務所とか言ってるけど実際探偵なんているのかよ」
「…」
「…」
「知らん」
「知らないね」
「いや、いるよ?」
「グリジアさん戻ってきたんだ」
「ああ。ただいま」
「おかえり」
「それで、探偵が実際にいるのか?」
「いるが文句でもあるのか」
「うわびっくりした何モンだてめえ」
「ここの事務所の探偵。本当の収入源は僕、鷹咲が勤めてるんだよ」
「たかさきぃ?」
「知らんかった。そんな奴いたのか」
「実は知ってた。でも鷹さん引きこもりだから」
「人をニートみたいに言うんじゃない錦!」
「わはは!」
「だが探偵なのに引きこもりというのはどういうことだ」
「僕の目見てわかんない?訳ありなんだよ」
「…へえ」
「まあ今は3人も出てもらってるし、鷹さんが出なくても大丈夫になってきてるんだよ」
「グリジアそれ励ましてないよ」
「なら引きこもってないで働いたらいいじゃねえの」
「…そう出来たら苦労しない」
「まあ俺らだって訳ありだよ。だから踏み込まないであげなよ煌」
「俺だけじゃねえだろ。烈は気になんねえのか」
「気になりはするが、不粋なことはしないタチでな」
「へえへえそうですか」
「まあいい。今のところ、嘘の匂いはしないし別に気にしてもいない。また機会があったら会おう」
「あー行っちゃった」
「隣に住んでるんだよ。だから困ったら訪ねてみてね」
「誰が行くか」
「飯のおすそ分けにでも行ってやれ」
「行かねーし!」
「カレー余ったら行ってあげなよ。あの人お前と同じですぐに食べるの忘れるし」
「同類にすんな!」